ミャンマー担当の笠原です。今回ミャンマーを訪れた一番の理由は、この地域に建設されているコンドミニアム、Star City Thanlyin(以下 スターシティ)の視察と、弊社がスターシティの16部屋を所有しているため運営会社であるSPAの営業マンと打ち合わせをする目的でした。 滞在した3日(正確に言えば3.5日)の間に私が感じたミャンマーをここで記したいと思います。
ヤンゴンから
ヤンゴンの中心地、ダウンタウンから南東へ約25分ほど車で走るとタンリーン地区という田舎町があり、スターシティはここに建設されています。タンリーン地区一帯は、まだ人の手が加えられておらず長閑な風景でした。ヤンゴンは街全体が経済発展のため一日一日変化する中、25分ほど走った川の向こう側は、牛が放牧されていたり、まだ10代前半とおぼしき少女とその母親が一生懸命畑仕事をしていました。この日は外に立っているだけでじわぁーと汗が噴き出してくるほど日差しの強い日でしたが、昼間の猛暑でもタンリーンの人たちは笑顔で仕事をしていたのがとても印象的でした。
ミャンマーに着いた初日は夜だったので気づかなかったが、このタンリーン地区の女性(ダウンタウンではたまに男性も)たちは、顔に泥のようなものを塗っていました。これは、「タナッカー」と呼ばれるミャンマー独特の日焼け止め兼化粧だそう。日差しはきついが、色白の女性が多いのは「タナッカー」を塗って紫外線対策をいるからなのだそう。この日は、たしか32度だったが体感温度はもっと暑く感じました。日本なら猛暑ですが、ミャンマーの人に言わせるとまだ涼しい方だとか。確かに着いたその日は夜だったので清々しい風と乾燥した気候でとても心地よかったのを思い出します。
未整備のインフラ
スターシティの視察を終えヤンゴンのダウンタウンに戻り、スターシティ以外の物件で、すでに販売が開始されているコンドミニアムの資料に目を通していると、必ずと言っていいほど出てくる項目があります。それは、「物件の地域が雨による浸水の恐れはないかどうか」「停電時の予備ジェネレーターの完備」の文面です。ミャンマーではかなりインフラ整備が遅れており4月~6月の雨季には川の氾濫、それによる浸水、また停電や断水など日本では災害の時以外、考えられないようなことが度々起こります。だから、ミャンマーにある高級コンドミニアムは、設備の条件として「停電用のジェネレーター」や「生活用水の完備」、など居住者の安心要素としてこれらの項目が予めつけられています。
仏教心が強い人柄
ヤンゴンの中心にシュエダゴン・パゴダという建造物があり、パゴダとは寺院という意味なのだがこのシュエダゴン・パゴダは特に観光名所でも有名です。ミャンマー人はもちろん参拝無料、しかし外国人は拝観料8US$を支払わなければなりません。「あれっ!? ちょっと前まで5US$だったのになぁ~…」そんな声が周りからちらほら聞こえる。「間違いなくまだ値上がりするだろうな。物価高騰の煽りはこんなところまでも影響されているのか」と苦笑。パゴダの中は、神聖な場所ゆえ裸足になることが義務付けられて、裸足になると何ともいえない心地よさがありました。(行かれる方は、足の裏を拭く濡れティッシュが必須ですよ!)
いたるところで線香の香りが心を癒してくれる。ミャンマーの人たちは、老若男女関係なく実に信仰深く、熱心に祈りを捧げていた。この日、多くの西欧人や日・中・韓のアジア人が観光に訪れていましたが、ミャンマーの人たちにとっては自分たちの聖地だからか全く気にしない様子。反対に私が気になったのは、仏像の後ろに電飾がついていたこと。(パチンコ屋みたいでした笑) もう一つ気になったことが、少年僧が実に凛としていた姿であったこと。時折見せる少年の笑顔と仏に仕える身としての立ち振る舞いが妙に大人っぽかった。
ミャンマーへの期待
今回のミャンマーの視察訪問で、僕はミャンマーという国をかなり誤解していたことに気付きました。
まだまだ閉ざされた国とばかり思っていました。しかし訪れてみればそこは、人々が活き活きとしたまるで日本の高度成長時代とそっくりでした。(私はその時代の人間ではないが教科書や歴史書などで読んだ記憶を基に)欧米諸国に対して国を開いて、外国から資本と観光客を呼び込み、近代化を一気に推し進めるミャンマー政府の方針転換は、ミャンマーの人々にとって嬉しいことに違いはない。ですが、それによって今回の滞在で見たミャンマーの人々の笑顔や、自然の風景や、独特の風習や文化が失われ、今の日本と同じように変わってしまうのではないかと考えるとなんだか寂しい気持ちになりました。
アジアラストフロンティア。その言葉が本当に相応しい国のような気がするのは私だけでしょうか?
ここ10年でミャンマーは大きく成長することは間違いありません。物価もまだまだ上がり続けるでしょう。
急ぐこと間違いなし。この国のために、一つでも多くミャンマーの良さを伝えていくこと。今回の訪問がそのきっかけになればと思います。
ミャンマー人の人なつっこさや親切さが、今日も全く変わらず私を温かく迎えてくれました。
仏教の教えを忠実に守り、笑顔を絶やさないまさに“微笑みの国”そのものでした。
1.経済成長率・所得水準は国によってかなり差がある
東南アジア10ヵ国からなるASEAN諸国の各数値とランキング表です。ASEAN諸国と協力関係を結ぶ国との間で2015年末を目処に、関税、投資、人の流れを自由化する「規制緩和」が前向きに協議されています。
EUのような連合諸国と違い、ASEANは経済発展を先に迎えている1次組(シンガポール、マレーシア)、現在経済発展真っ只中の2次組(タイ・インドネシア・フィリピン・ベトナム)、経済発展の間近にある3次組(ラオス・カンボジア・ミャンマー)に分かれており、1次組と3次組との所得格差が極めて大きいことが特徴です。たとえば、2013年シンガポールの一人当たり名目GDPは、ミャンマーの約63倍でした。
国名 | 世界ランキング 186ヶ国 |
一人あたり名目GDP (ドル) |
世界ランキング 188ヶ国 |
実質経済成長率 (%) |
---|---|---|---|---|
シンガポール | 8位 | 54,775.53 | 73位 | 4.08 |
マレーシア | 67位 | 10,547.97 | 52位 | 4.69 |
タイ | 93位 | 5,674.39 | 104位 | 2.87 |
インドネシア | 116位 | 3,509.82 | 36位 | 5.78 |
フィリピン | 127位 | 2,790.37 | 20位 | 7.16 |
ベトナム | 135位 | 1,901.70 | 42位 | 5.42 |
ラオス | 145位 | 1,476.95 | 11位 | 8.20 |
カンボジア | 158位 | 1,016.41 | 22位 | 7.02 |
ミャンマー | 162位 | 868.72 | 17位 | 7.50 |
2013年 出処 IMF World Economic Outlook Database
2.ASEAN諸国の経済は上昇傾向にある
GDP、所得格差があるとはいえ、ASEAN諸国のどの国も、少なくとも現時点での経済は右肩あがりになっています。1次組~3次組まで全ての国が、十数年前から見ても確実に経済規模を伸ばています。
ASEAN諸国の経済連携活動の目的は、3次組の「カンボジア、ラオス、ミャンマー」の経済活動や所得水準を引き上げることにあります。
3.不動産関連の法制度は国によって異なる
どの国も経済が伸びているので、不動産投資国として注目されていますが国によって法整備が異なるため事前に情報収集が必要です。本サイトでは、ミャンマーの不動産投資について細かく説明し、法整備が変わればいち早く情報をお伝えします。ASEAN諸国の不動産関連の法整備を一覧表にまとめました。
国名 | 外国人名義で 土地を保有 |
外国人名義で 物件を保有 |
投資家の動き |
---|---|---|---|
シンガポール | × | ○ | 物件価格が世界トップクラスのため富裕層の需要買いが中心 |
マレーシア | ○ | ○ | ジョホールバル・クアラルンプールを中心に人気あり |
タイ | × | ○ | バンコク市内・パタヤ周辺が人気あり |
インドネシア | × | × | バリ島に人気集中しているが、外国人の所有権が認められていない。 |
フィリピン | × | ○ | マニラ・セブが人気。フィリピンの不動産を扱う日系の不動産投資会社が増えている |
ベトナム | × | △ | 外国人の不動産所有権の規制が厳しい。 |
ラオス | × | × | 現在マレーシア、タイ、フィリピンに続き投資国として注目されている。 |
カンボジア | × | ○ | 現在マレーシア、タイ、フィリピンに続き投資国として注目されている |
ミャンマー | × | △ | 現在マレーシア、タイ、フィリピンに続き投資国として注目されている。物件購入は運営会社との契約でできる。 |