こんにちは藤岡です。
今回は6月12日に香港で起きた「逃亡犯条例」改正案に反対するデモの背景と、デモが中国経済へ与えた影響についてお話します。
デモの中国経済への影響
6月12日、港で拘束した容疑者を中国本土に引き渡せるようになる「逃亡犯条例」改正案に反対するデモ隊と警察が衝突。以降、混乱が激しくなり、経済活動が停滞するとの懸念から、13日の香港株式市場でハンセン指数は一時2%近く下落しました。
また、株価指数先物などに運用リスクを回避する売り、香港で事業展開するQBNHDやトリドールなども下落し、香港市場のハンセン指数は本土市場も大幅な下げが起きていました。
今後の香港デモの動向
今回のデモの影響で閉鎖されていたHSBCとスタンダード・チャータード銀行は14日、支店の業務を再開しビジネスは通常通りに行われたようです。
この日から仕事に向かう通勤客の姿が見られ、金融街は通常の状態に戻ったものの、改正撤廃を求めるデモ参加者の抗議行動は止まらず、ついに香港政府の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は15日、記者会見を開き、立法会(議会)での審議を中断すると発表されました。
社会不安が経済に悪影響を与える
また今回のデモについて、KGIの調査担当ディレクター、ベン・クウォン氏は、このところの株価は堅調だったため上昇した分の一部を失うことは予想されており、デモで売り意欲が高まったと指摘。
「ここ数年は比較的穏やかな状態が続いていたが、(今回の動きは)社会的な不安や緊張の高まりがある時の当初の反応としては正常だ」と述べています。
デモの鎮静化に呼応するように、17日改正案の審議が延期されたことで投資家に買い安心が広がり、ハンセン指数は前日比 + 0.66% 上昇しています。
デモの社会不安によって売り意欲が高まれば、市場全体の下落は避けられないでしょう。香港の動向について経済と社会性の両面から、注意して見ていかねばなりません。