世界の上位銀行100の約75%が支店をおく香港は多国籍企業や中小企業を問わず、世界でビジネス展開をするのに便利である。そのなかでも特に中国ビジネスを展開するにあたっては有効となる。それは中国の本土外投資の約45%が香港からの投資であることからもよくわかる。
世界にはオフショア地域が数多くあり、その中には税率が0~10%といった香港よりもずっと低い税率の場所も多くあります。しかし香港はシンガポールと並び、アジアの金融センターでありビジネスの中心であり続けています。
その理由のひとつには、金融市場の充実があるが、その他にも貿易拠点としての充実も挙げられる。香港国際空港は世界140以上の都市と香港を結ぶ旅客便4000便、貨物便700便が毎週発着している。
また中国への貿易拠点としても*CEPA(中国、香港、経済貿易緊密化協定[CLOSER ECONOMIC ARTNERSHIP ARRANGEMENT])によって非常に重要な玄関口としての役割を担っている。
充実した金融市場を活用している例としては香港法人がホールディングカンパニー(統括会社)になって中国をはじめ、アジア各国に投資していることがあげられている。
日本と香港が租税協定の締結に合意したことによって、統括会社としての定義を満たせば香港法人から日本法人への配当金の95%が非課税で残りの5%にのみ課税されることから、今後も日本から多くの企業が香港法人を設立し、海外投資のクロスボーダー拠点として利用することが予想される。
*CEPA・・・経済、貿易緊密化協定
closer economic partnership arrangement
2003年6月29日に調印された香港-中国本土間の協定。中国市場参入時の規制緩和の早期化等、中国のWTO加盟時の公約を上回る優遇政策を内容とするものであり、2004年1月1日より施行されている。
主な内容は、
・香港製品に対する関税のゼロ化
・サービス産業の開放
・貿易と投資の効率化をすすめる。
また優遇策の適用を受けるためには、香港企業として認定されることが必要になります。
主な条件は、
・設立後、3年~5年経過していること
・法人所得税を納付していること
・現地従業員を50%以上雇用していること
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